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モデレーション原則

前文

このモデレーション原則は、承認弱者の居場所を守るための指針です。 「病み」と「闇」を抱える者たちが、互いを理解し、支え合える場所を目指します。 どのような自己表現も、それが他者を害さない限り受容される心理的安全性を重視します。 運営とユーザーの双方が、この場所の意義を理解し、自発的に築く関係を大切にします。 プライバシーの保護と精神的資源の適切な分配という理念のもと、安全で持続可能なコミュニティを築きます。

用語定義

精神的資源

以下を含む心的エネルギーの総体を指します:

  • 共感力:他者の感情を理解し、適切に応答する能力
  • 注意力:他者の発言や状況に対して適切な注意を向ける能力
  • 感情制御力:自己の感情を適切にコントロールする能力
  • 思考力:状況を適切に判断し、対応を決定する能力

重要な原則

  • 感情を表現することは、必然的に他者の精神的資源を消費します。これは自然なことであり、問題ではありません
  • 問題となるのは、他者に精神的資源の提供を強要することです
  • 「助けてほしい」と表明することと、「助けないなら〜する」と脅すことは、全く異なります

心理的安全性

以下の状態が保障されている環境を指します:

  • 自己表現の自由: どのような感情表現も、それ自体を否定や批判されない状態
  • プライバシーの保護: 個人情報が適切に保護されている状態
  • 強要されない自由: 他者からの強制や過度な期待を受けない状態
  • 境界線の尊重: 自分の意思で関わり方を選べる状態

重要な原則

  • 心理的安全性は、「傷つかない権利」ではありません
  • 心理的安全性は、「自由に表現し、自由に境界線を引ける権利」です
  • 誰かの「病み」投稿を見て疲れたら、ミュートやフォロー解除は自由です。それも心理的安全性の一部です

承認弱者のコミュニティ

やみすきーは「承認弱者」が自分らしくいられる場所です。

2つのタイムライン

  • LTL(ローカルタイムライン): つながりを求める人のための交流の場

    • 同じような経験を持つ人と理解し合い、支え合うことができます
    • 日常的な会話や軽い相談など、コミュニティとしての「居場所」です
  • やみTL(やみタイムライン): 表現を求める人のための吐き出しの場

    • 他では言えない「病み」や「闇」を、自由に吐き出すことができます
    • 深い悩みや辛い気持ちを共有する、安全な「吐き出し場」です

柔軟な使い分け

交流したい日もあれば、ただ吐き出すだけの日もある。それでいいんです。両方のタイムラインを使い分けながら、自分のペースで過ごせます。

基準

第1則 プライバシー保護と自己開示

このサーバーは、すべてのユーザーの自己開示の自由とプライバシーを最大限に尊重します。

基本的な考え方

  • メンタルヘルスの癒しには、ある程度の自己開示や相互理解が必要な場面もあります
  • 一方で、プライバシー保護は個人の安全を守るために不可欠です
  • やみすきーでは、この2つのバランスを保つことを大切にしています

自己開示の権利

  • ユーザーは自分の心理状態や治療歴の開示を自由に選択できます
  • その選択は他者からの強制や誘導に影響されてはなりません
  • 開示内容の撤回や修正を随時行うことができます

他者のプライバシー保護

  • 他者の心理状態、治療歴、個人情報の投稿は、噂や推測も含め一切禁止です
  • 個人を特定できる情報の示唆や、過去の投稿からの類推も禁止します
  • プライバシーに関する詮索や、それを促す行為は禁止します

運営の対応

  • 個人情報の共有や外部流出は、その規模や内容を問わず即時対応の対象です
  • プライバシー侵害が確認された場合、利用規約に基づいて対応します。「疑い」の段階では、通報者への確認や当事者への事実確認を行い、明確な証拠がある場合のみ措置を講じます

第2則 表現と相互扶助の原則

このサーバーは、表現の自由と支え合いの共存を大切にします。

バランスの難しさについて

「いかなる感情表現も否定されない」という理念と、「他者の精神的資源を過度に消費する行為の禁止」という配慮は、時に相反する判断を迫ります。

  • サイレントマジョリティーとノイジーマイノリティ: 声を上げにくい多数派も、強く表現する少数派も、どちらも承認弱者です
  • 語ることの困難(サバルタンの問題): マジョリティから疎外された者が、マイノリティの中でもさらに疎外される「二重の疎外」が存在します。言語資本や社会資本を持たない者は、自らの言葉で語る場を持てず、他者によって代弁され消費されます。既存の言説や学術的語彙では表現できない経験を持つ者が、自らの言葉で語る場を作ること——これがやみすきーの重要な目的の一つです
  • 矛盾の受容: しかし、語る場を保障することが、他者の精神的資源を消費する場合もあります。この矛盾は完全には解消できません。それでも、矛盾に自覚的であり続けることが重要です
  • 共に考える: 運営もユーザーも、同じ目線でこのバランスについて考え続けます

表現の基本原則

  • いかなる感情表現も、それ自体を否定されることはありません
  • 他者が「辛い」「死にたい」などの感情を表現すること自体を否定する行為(「そんなこと言うな」「甘えるな」など)は禁止です
  • 注意: 意見の相違、議論、建設的な批判は禁止されません。禁止されるのは、感情表現の存在そのものを否定する行為です
  • 表現方法への提案は、求められた場合のみ行うことができます。ただし、利用規約違反(NSFW設定の不備等)については運営から指摘することがあります
  • 感情表現への同調を強制することは禁止です

相互扶助のあり方

  • 支え合いは強制ではなく、自発的かつ自律的に行われます
  • 誰かを助けたいときに関わり、疲れたときには距離を取ることも尊重されます
  • 個人に過度な負担が集中しないよう、互いに無理なく調整して関わることが望まれます
  • 関わり方に悩んだときは、運営への相談やミュートなど、自分を守る手段を自由に選べます

メンタルヘルスに関する具体的ガイドライン

原則: あらゆる感情表現(「辛い」「死にたい」「助けてほしい」など)を尊重します。以下は、他者との健全な関係を維持するためのガイドラインです。

運営が介入する行為(利用規約違反):

  1. 他者への強要・束縛

    • 返信を強要する表現(「返信しないと〜する」「無視するな」など)
    • 特定の人物の時間や行動を束縛する(「〇〇時まで起きていて」「他の人と話すな」など)
    • 相手が明示的に距離を置こうとしているにも関わらず、接触を続ける
  2. 脅迫的な支援要求

    • 「〇〇してくれないと死ぬ」「助けてくれないなら自傷する」など
    • 支援を断った相手を責める、罪悪感を与える
  3. 意図的な感情操作

    • 「私のことを本当に心配しているなら〜してくれるはず」など、相手を試す発言
    • 支援の見返りとして、特定の行動を要求する
  4. 専門的助言の強要

    • 医師でないにも関わらず、治療方針や服薬の変更を強く勧める
    • 「病院に行くな」「薬をやめろ」など、専門的治療を否定する助言
  5. 自殺・自傷の推奨や誘導

    • 具体的な方法を推奨する、他者に促す発言
  6. センシティブな内容の配慮不足

    • 自傷行為の生々しい描写や画像を、NSFW設定なしで投稿する
    • トリガーとなりうる内容を、CW(コンテンツワーニング)なしで投稿する

推奨される表現方法(強制ではありません):

以下は推奨ですが、違反しても直ちに処罰されるわけではありません。円滑な関係のための参考としてください:

  • 深夜帯(22時〜翌6時)の緊急性の低い相談は、翌日にする
  • 同じ悩みを繰り返し投稿する場合は、時間を空ける(目安: 数時間以上)
  • 特定の人に相談が集中している場合は、他の人や運営にも相談する
  • CW機能を活用し、センシティブな内容には警告をつける

運営の対応方針:

  • 事前規制より事後対応: 積極的に介入せず、問題発生時のみ対応
  • 段階的対応: まず注意、改善が見られない場合に制限措置
  • グレーゾーン: 判断に迷う場合は表現の自由を優先。明確な権利侵害のみ介入

第3則 運営の介入基準

運営は、利用規約違反が発生した場合にのみ対応します。基準に該当しない場合の恣意的な介入は行いません。

介入する場合(これらに限定されます)

  1. 利用規約に明記された禁止行為が行われた場合

    • 利用規約第6条に列挙された具体的な禁止事項に該当する場合
    • 明確な証拠(投稿、ログ等)が存在する場合
  2. 複数のユーザーから通報があり、具体的な権利侵害が確認された場合

    • 「具体的な権利侵害」とは:プライバシー侵害、名誉毀損、脅迫、ハラスメント等、利用規約で禁止された行為
    • 単なる「不快」「気に入らない」という理由のみでは介入しません
  3. サーバーの技術的運営に支障をきたす場合

    • システム攻撃、大量スパム、サーバー負荷の異常増加等、技術的問題に限定

介入しない場合(原則として介入を禁止)

  • ユーザー間の意見の相違や感情的な対立
  • 「依存」や「精神的資源の消費」など、客観的な測定が不可能な主観的判断を要する状況
  • グレーゾーン(明確な権利侵害に該当しない行為):判断に迷う場合は表現の自由を優先します
  • 「雰囲気が悪い」「コミュニティに合わない」などの曖昧な理由

対応の段階

  1. 注意: 初回の違反行為に対する警告

    • 管理人またはモデレーターがリプライまたはチャットで直接通知
    • 違反内容と該当する利用規約条項を明示
  2. 制限: 改善が見られない場合の機能制限

    • 制裁ロールを付与
    • 期間は通知時に明示
    • 期間満了後、改善が認められれば解除
  3. 一時停止: 深刻または繰り返される違反の場合

    • アカウントを凍結
    • 期間は通知時に明示
    • 期間満了後、異議申し立てを経て解除を検討
  4. 永久停止: 悪質な違反、または一時停止後も改善が見られない場合

    • アカウントを永久凍結

停止措置を受けたユーザーも、やり直しの機会が与えられる場合があります。ただし、以下の場合は永久出禁とし、覆しません:

  • 深刻なプライバシー侵害(個人情報の暴露や拡散)
  • 悪質かつ執拗な荒らし行為や妨害行為
  • 運営や他ユーザーへの重大な脅迫・攻撃
  • 永久停止後にも関わらず別名義で潜入を試みる行為

永久出禁となった場合、承認制において同一人物からの新規アカウント申請は永久に承認しません。

運用体制

やみすきーの運営は「小さな運営」を旨とし、介入は最小限にとどめます。 主体は常にユーザー自身のやりとりと相互理解にあり、運営は必要な場合にのみ対応します。

第1則 運営業務の範囲

  • ユーザーからの通報への対応
  • 利用規約違反への対応(制限措置の実施)
  • 承認制における登録申請の審査

運営が行わないこと

  • ユーザー間の仲裁や調停(紛争は当事者間の自主的解決を原則とします)
  • 主観的判断に基づく介入(「依存」「精神的資源の消費」など)
  • 予防的な監視や指導

第2則 責任の所在

モデレーターと管理人

  • モデレーターは管理人の代行者であり、結果責任は管理人が負います
  • モデレーターを任命できるのは管理人のみで、任命責任も管理人が負います

匿名性

  • モデレーターが誰であるかを知るのは管理人・本人・他のモデレーターに限ります
  • 匿名性は責任回避ではなく、特定個人への注目や圧力を避けるための仕組みです

管理人複数体制

  • 管理人が複数いる場合、互いの行為に連帯責任は負いません
  • ただし、どの管理人が関与したかは簡潔に公開し、透明性を確保します

第3則 相互扶助と運営の不介入

  • 相互扶助はユーザーの善意による自発的な行為です
  • 運営は相互扶助に関与しません(強制も制限もしません)
  • 関わる/関わらない、支える/距離を置く、どちらの選択も自由です

第4則 運営の立場

  • やみすきーは医療福祉機関ではありません
  • 運営は利用規約とプライバシー保護を守る立場に徹します
  • 医療的判断や福祉的支援は行いません

第5則 意思決定の方法

匿名性

  • 管理人およびモデレーターは匿名で活動します
  • 匿名性は特定個人への圧力を避けるための仕組みです

重要な決定

  • 重大な改定やルール変更は、匿名アンケートでユーザーの意見を確認します
  • アンケート結果をもとに、運営とモデレーターが合議します
  • 合議の結果を簡潔に共有し、透明性を確保します

付則

第1条 基本原則

目的

本原則は、承認弱者の居場所を守ることを目的とします。

基本理念

  • メンタルファースト: 表現の自由を最大限尊重します
  • プライバシーファースト: 個人情報保護を徹底します
  • 小さな運営: 最小限の介入にとどめます

第2条 運用原則

基本方針

  1. 表現の自由を最大限尊重する
  2. 事前規制より事後対応を優先する
  3. ユーザーの自律性を尊重する
  4. 意思決定においてユーザーの意見を尊重する
  5. やり直しの機会を原則として認める

禁止行為への対応

利用規約で「禁止」と定められた行為に対し、段階的措置を講じます。詳細は「基準」の「第3則 運営の介入基準」を参照してください。

解釈指針

  1. 字句の厳格な遵守: 本原則は、その字句に従って厳格に解釈します。「精神」を理由とした拡大解釈は行いません
  2. 疑義の際の原則: 解釈に疑義が生じた場合は、以下の優先順位で判断します:
    • 第1優先: 表現の自由を優先
    • 第2優先: ユーザーの権利を保護する方向で解釈
    • 第3優先: 運営の介入を最小限にする方向で解釈
  3. 合議制の義務: 解釈が必要な判断は、複数の運営メンバーによる合議を経て行います。単独での恣意的解釈は禁止します
  4. 透明性の確保: 新たな解釈が必要となった場合は、その解釈を公開し、必要に応じて本原則を改定します

第3条 運営権限の制限

禁止される行為

運営は、以下の行為を行うことができません:

  1. 恣意的な処分: 本原則および利用規約に明記されていない理由による処分
  2. 事前検閲: 投稿前の内容審査や、予防的な投稿制限
  3. 主観的判断による介入: 客観的な基準に基づかない、運営の個人的な好悪による介入
  4. 基準の拡大解釈: 禁止事項を類推適用したり、拡大解釈したりすること
  5. 非公開の処分: 処分理由を明示しない、または記録を残さない処分

必須とされる手続き

運営がモデレーション措置を講じる際は、以下を遵守します:

  1. 証拠の保全: 処分の根拠となる投稿やログを記録
  2. 理由の明示: 利用規約のどの条項に違反したかを具体的に通知
  3. 合議の実施: 重要な判断は複数の運営メンバーによる合議
  4. 記録の保持: すべての処分について、日時・理由・経緯を記録
  5. 異議申し立ての受付: ユーザーからの異議申し立てを受け付け、誠実に対応

第4条 改定履歴

変更履歴の追跡について

2025年1月1日以降の改定については、各改定日にGitHubコミットへのリンクを設定しています。コミットの差分を確認することで、具体的な変更内容を追跡できます。

制定・改定経過

  • 2024 年 10 月 14 日 初版発行
  • 2024 年 11 月 7 日 改定
  • 2024 年 12 月 08 日 改定
  • 2025 年 1 月 1 日 改定:運営の不介入原則を明記
  • 2025 年 1 月 12 日 改定:管理人が複数いる場合の責任の所在を明記
  • 2025 年 1 月 21 日 改定:精神的資源、心理的安全性、承認弱者に関する考察を追加
  • 2025 年 9 月 28 日 改定:やり直しの機会を原則として認める方針を追加、永久出禁の例外規定と基準を明記
  • 2025 年 11 月 3 日 改定:サバルタン概念の統合と文書構造の改善
  • 2025 年 11 月 11 日 改定:運営権限の制限と恣意的解釈の防止